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団地再生と「大工の手」
2015.11.08

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戦後、首都圏には産業や人口が集中し、都市近郊に暮らす多くの人の居住のためにたくさんの団地がつくられました。建設当初、団地の暮らしは国民にとっての憧れでした。団地の建設はまちにたくさんの住人を呼び込むきっかけとなり、その近隣には商店街や学校などもあり、人と人がつながるコミュニティが団地周辺に育まれていました。

時を経て人口減少社会が訪れるなか、建物や住宅設備の老朽化や入居者の高齢化、人たちの価値観の多様化も進行しています。現代の社会において、たくさんの居住者の受け皿としての団地の役割は、変わりつつあるのかもしれません。

それでも、都市近郊エリアの団地がたださびれていくのではなく、新たな居住ニーズとのマッチングや改修・再生や新たな利活用の検討を通して価値づけを行い、これからの社会に調和した「団地の暮らし」を、いまみんなで考えていくべきタイミングなのではないでしょうか。

 


その一つの選択肢として、「わざわ座」に参加する職人や工務店、デザイナーが「団地再生」に取り組んだら……。
壁も床も自然素材で仕上げられ、建具や家具も大工さん・建具屋さんの手仕事でつくることで、団地が木に包まれた空間に生まれ変わります。
わざわ座の第一弾プロジェクトである「大工の手」では、オープンな室内空間に「間仕切り」という機能を備えた置家具のラインナップがこれから加わります。
団地やマンションなど、比較的オープンなスペースで住み手が自由に間取りをアレンジできるようになることで、多様な暮らしが生まれていくはずです。

 


社会の中で役割を変えつつある場所、団地。
職人の後継者不足や手仕事の減少が進む住宅業界。
課題と課題が何かのきっかけで結びついた時、そこには新しい「変化」が生まれる可能性があります。

 

これから「わざわ座」でも、地域の居住をより豊かに変化させる工夫を一座の取り組みからたくさん生み出していきたいと思います。

 

 

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■KM.2 / hashira-table 丸中
・デザイン:Koizumi studio 小泉誠
・製  作:相羽建設+大工

 

www.wazawaza.or.jp
ー デザインとものづくりのプラットフォーム ー