ホームショー「大工の手」展覧会を終えて。
2015.11.21
11月18日から20日の三日間で開催されたジャパンホームショーが終了し、新建新聞社とわざわ座で共同開催させていただいた「大工の手」展覧会も無事に会期を終えることができました。会期中には多くの方に会場へお越しいただき、「大工の手」に触れていただきました。
会場の様子をご紹介しながら、少し振り返りを。
●白いダンボールでつくられた「わざわ座」ブース
ビッグサイト東展示場を歩き奥へ進むと「わざわ座」のブースが現れます。会場構成は家具デザイナーの小泉誠さん。白いダンボールを積み上げて生まれるシンプルで簡素な空間は周囲の展示よりも華美ではないものの、展示されている「大工の手」家具の木の質感や色合いと調和しながら、独特な存在感を生み出しています。
ビッグサイトのコンクリートの床と白いダンボールで生まれたすっきりと美しい空間は、どこか住宅のスケールを感じさせながら来場者を迎えてくれているようでした。
職人とデザイナー、工務店が集まって、これからの日本のものづくりや手仕事を考える「わざわ座」。その第一弾のプロジェクトとして「大工の手」の構想がはじまったのが2013年ごろ。
2014年春に家具デザイナーの小泉誠さんのデザインではじめての「大工の手」展覧会を行うとともに「わざわ座」の旗揚げを行い、約半年の準備期間を経て昨年のホームショーで建築家の伊礼智さんのデザインによる「大工の手」を発表。2015年春から全国40の座衆工務店とともに本格的に活動を進めてきました。
●全国各地から集まったスツールたち
会場の周囲には、全国各地でつくられた「大工の手」スタッキングスツールが並べられました。全国の工務店が工房となり、デザイナーが描いた図面をもとに各地の大工がつくり上げたスツールたち。一脚一脚に夫々の大工の想いや技がこめられ、地域材や「誠実な素材」、自然由来の塗料などで仕上げられています。多彩な表情を持つスツールを目にして座りくらべたり、スツールとともに掲示された大工のプロフィールを眺めてくださる方もたくさんいらっしゃいました。
●わざわ座+伊礼智
入り口側から回っていくと……そこは建築家の伊礼智さんがデザインした「大工の手」エリア。
「建築空間から発想する家具」としてデザインされた置き家具や収納家具は空間と一体となって居心地のよい居場所をつくり出してくれます。展覧会ではローテーブルとちゃぶ台、ベンチ、ダイニングテーブルやキャビネットが展示されました。
●わざわ座+小泉誠
さらに進むと、家具デザイナーの小泉誠さんがデザインした「大工の手」が展示されています。
これまでに発表されていたテーブルやスツール、ベッドに加えて、今回の展覧会では新作の「大工の手」プロトタイプも発表されました。
多くの来場者の方から特に注目いただいたのが、間仕切りと一体となって、空間の中で一つの”場”を生み出す家具。本棚とソファが一体となって「しまう・読む・くつろぐ」ができたり、テーブルと間仕切りと照明が一体となってリビングの重心となる豊かな場所を生み出せたり。
木の家の屋内に壁をつくり部屋をこまかくつくらなくても、オープンな空間の中に間仕切りのできる家具を置くことで、家族がほどよくつながりながら夫々のプライベートなスペースを持つことができます。住んでからの家族構成やライフスタイルの変化にあわせて「模様替え」で間取りを変えることができ、住まい手がより自由に暮らしを楽しめるようになるはずです。
「テーブルと照明は切ってはなせないもの。それを一つにしてみたら……」とは小泉さんの言葉。空中に浮いた照明は木のフレームでテーブルと一体となっています。
椅子に座ってテーブルにいると、驚くほどに居心地がいい。木のフレームや間仕切りの壁がゆるやかな結界となってそこにいる人の居場所を生み出しているようでした。
座面に布とクッションを用いたスツールやキッチンも、新たな「大工の手」としてデザインされています。
本棚と一体となったソファも、座ってみると木の壁につつまれた落ち着ける場所となっています。お気に入りの本をじっくり読んだり、背もたれのクッションを移動してゆったりくつろいでも良さそうです。
展示された二台のキッチンの内、一台は起倒式の木製カウンターを備えています。出来上がった料理を食べる時はカウンターとして使い、来客時には立ち上げて手元を隠すことができる仕掛けです。シンプルな箱型のハイスツールも新作の「大工の手」です。
こちらはお馴染みのベッドとハンガーベンチ、サイドテーブル。
「たべる」「くつろぐ」「しまう」「かける」「やすむ」
日常生活のさまざまな動詞から発想されたデザインは、使い手の工夫次第でいろいろな使い方が楽しめそうです。シンプルな形の中に暮らしの必然性や遊び心がこめられた、小泉さんならではのデザインです。
三日間の展覧会を通して、たくさんの方に「大工の手」をふれていただき、わざわ座の”いま”とこれからの可能性を感じていただく機会となりました。
会場で展示したプロトタイプ(試作)の改良を小泉さんや伊礼さんと進めていくとともに、活動に参加する全国の座衆でわざわ座の発信や「大工の手」の活動を前に進めていきたいと思います。
さらに、わざわ座の活動に参加いただく第二期正会員(座衆工務店)の募集も始まっています。
すばらしい機会、時間をいただき、本当にありがとうございました!
会場構成・会場写真:Koizumi studio 小泉誠
文 責:わざわ座事務局 伊藤夕歩
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<展覧会概要>
会 期:
2015年11月18日(水)-20日(金)
会 場:
国際展示場 東京ビッグサイト東5ホール新建新聞社ブース内
展示協力:
新建新聞社/Koizumi studio/伊礼智設計室/相羽建設株式会社/株式会社柴木材店/株式会社田中工務店/株式会社参創ハウテック/丸天星工業
スツール出展:
相羽建設株式会社/Atelier Hishida/阿部建設株式会社/伊神建設株式会社/株式会社池田組/有限会社エフ・ベース/有限会社エンドウ工務店/株式会社金丸工務店/木の香(株)前川建築/株式会社小林建設/株式会社坂田工務店/株式会社佐野工務店/ジェクト株式会社/株式会社柴木材店/株式会社清水工務店/株式会社住まい工房ナルシマ/株式会社セイコーハウジング/立見建設株式会社/株式会社田中工務店/株式会社藤島建設/不動産企画ウィル/株式会社牧田工務店/株式会社山口工務店/ヤマサハウス株式会社/株式会社山田工務店/株式会社由良工務店 KOTOS/株式会社ヨシ
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<わざわ座 第二期正会員募集について>
わざわ座HPのトップページ(http://wazawaza.or.jp)にて「参加申込書」PDFを ダウンロードいただけます。内容をご確認いただき必要事項ご記入の上、事務局
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