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「大工の手」2016年度グッドデザイン賞を受賞!
2016.09.29

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『大工の手』が「2016年度 グッドデザイン賞」を受賞しました!

 

 

「大工の手」が、2016年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞いたしました!

今回は、プロダクトデザインとしての応募ではなく、個人・公共向けの意識改善を目的とした「活動」として応募。日本各地の地域の家づくりの現場での取り組みとして審査をいただきました。

 

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審査委員からの公開コメントとして

「大工人口の減少が深刻だ。高齢化が進む一方で若い世代ではなり手がなく、このままだと30年先には手仕事による家づくりが絶滅しかねない。このプロジェクトは、そんな「技」をもつ大工さんに憧れと尊敬が集まることを目的にしたもの。
いつでも目に見えて、触れられる家具を大工さんがつくり、そして長く使ってもらうことで手仕事の復権を目指している。
家具のデザイン性もさることながら、社会的意義も高く、継続していける仕組みも高く評価した。」
とたいへん嬉しく、光栄なお言葉をいただきました。

活動に参加する一座のメンバーとともに、今回の受賞を契機に「大工の手」の趣旨をあらためて考え、職人の手仕事の価値や魅力、デザインの大切さを全国各地の家づくりの現場で伝えていきます。そして、職人とデザイナー、地域工務店が協働してのプロジェクト「大工の手」を、つくり手と使い手の顔の見える関係から生まれる「ものづくりブランド」として育て、高めていきたいと思います。

 

■グッドデザイン賞Webサイト掲載ページ

  https://www.g-mark.org/award/describe/44552

 
 

「大工の手」のグッドデザイン賞の受賞は、2015年の「JID AWARD インテリアプロダクト部門賞」、「JAPAN WOOD DESIGNAWARD 奨励賞」に続いての受賞となります。家づくりの現場ではじまった「デザインとものづくり」の協働プロジェクトが、プロダクトとしても、活動としても、じっくり、ゆっくり、しっかりと社会的に認知され、評価をいただけてきたことに心より感謝申し上げます。

 
 

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●「大工の手」について

「大工の手」は、木の家を建てた大工さんが誠実な素材を使い、
その家の住み手のために家具をつくる活動です。
家族が毎日手で触れる家具を大工さんがつくることで、
家具とともに家を永く愛着を持って使ってもらうことを目指しています。
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合理化が進む今、多くの産業ではつくり手と使い手の顔が見えなくなっていますが、
唯一、住宅産業は「互いに顔が見える関係」が残っています。
一方で、現代の家づくりでも分業が進んでおり、
大工さんは長く工事に関わる職人でありながら、
完成前には内装屋さんと入れ替わって現場から引き上げてしまい、
住み手と顔がつながりにくいという問題がありました。
そんな中、発起人である家具デザイナーの小泉誠さんの発案で、
大工さんが家具をつくり、それを地域の工務店とデザイナーが支援することで
つくり手と使い手の心をつなごうという新しい家具のかたち「大工の手」が生まれました。

 
 

●素材とデザインのこと

 

素材は、「建替え時の古材」「上棟時の仮筋交い材」「プレカット時の端材」など、
家に関わる素材を「誠実な素材」として活用しています。
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デザインには、
家具デザイナーの小泉誠さんと建築家の伊礼智さんが関わって、
大工さんの道具と技術でつくる事が出来る形状を模索しています。
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●腕の見せどころ

 

図面には寸法とともに、接合や収まりを
大工さん任せにする「腕のみせどころ」を設けています。
同じ図面をもとにしていても、職人が違えば、
「継手(つぎて)」や「仕口(しぐち)」という大工ならではの技によって
家具に個性が生まれます。

 
 

●活動の広がり

 

手仕事を広めるこの運動に、
全国68社の地域工務店や素材メーカーが参加、取り組んでいます。
50を超えるアイテムが生まれ、1年半でつくられた家具の総数は800点以上に上ります。
針葉樹のスツールに改良を重ねて、JISの強度と耐久性試験に合格したり、
住み手が大工さんのお手伝いをしながら、「つくること」に参加できるラインナップも生まれています。
「大工の手」の活動はボランディアではなくメンバーからの会費で運営しています。
お客様からの注文を受けて職人の手を動かすことで工務店は売り上げをあげ、その中からデザイナーにフィーを払います。
大した利益は生みませんが、誰もが、がんばれば損をしないで、きちんと続けられる仕組みです。
価値観を共有できる作り手が集まり、この運動が広がることで、多様な生活道具が生まれ多くの住み手に届き、職人と手仕事が元気になります。
「大工の手」のあとは、「左官の手」や「経師の手」、いろんな「手」へとつなげていきたいと思っています。